タナカ株式会社

BLOG 社長日誌

令和元年(2019年)5月22日(水)1面コラム〈比較〉

前者➀(一般紙)、後者➁(地方ブロック紙)に於いて、タナカ株式会社地元:➁

➀「加藤典洋さん(71)を悼む」占領下の日本を取材した米国の記者

による『ニッポン日記』に、こんな場面がある。

 

 

〈イメージ写真4枚挿入〉2019年5月初旬撮影 「広島県宮島」とその対岸

 

 

連合国軍総司令部(GHQ)が、自分たちのつくった憲法草案を日本の閣僚たちに渡す。

15分間だけ与えるから読めと言って、ベランダムに退いた。

憲法が「強制」された瞬間である。 戻ってきたGHQ幹部は言った。「原子力的な日光

の中で陽(ひ)なたぼっこをしていましたよ」。原爆をにおわす言葉は、力を背景に

新憲法が生まれたことを示唆する。

 

このエピソードを最初に詠んだのはたしか、文芸評論家・加藤典洋(のりひろ)さんの

『敗戦後論』(1997年)だった。 加藤さんは、憲法の平和原則を貴重なものと考える

立場である。だからこそ憲法が「強制」されたことを直視しなければいけない。

 

そんな訴えは新鮮だった。 自分の力で勝ち取ったわけではないことを、護憲派は

過小評価し、ほおかむりしてきた-。挑発的な言説は波紋も呼んだ。

それでも、平和主義がひ弱であってはいけないという立場は一貫していた。加藤さんの

本を開くと、ときに自分たちの古傷をえぐる気持ちになる。憲法の出自の話だけではない。

敗戦以来ずっと日本は米国に従属しているのに、そこからみんな目をそらしているのではないか。

 

デビュー作『アメリカの影』(1985年)のテーマである。暮らしが豊になり、米国と

対等のつもりでいた当時の日本社会に、石を投げつけた。

(アジアの死者への哀悼や謝罪にむかうべきだ)

 

 

 

➁ 夏目漱石はロンドンで上空をはう電車の架線に驚いた。

山形の少年もまた東北から終着駅、東京・上野までまずは架線を記憶に刻んだそうだ。

 文芸評論家の加藤典洋さんが、随筆で振り返っていた。

 

上野といえば後に逆賊として死した維新の英雄、西郷隆盛が劉着し姿今もいる。

加藤さんは「ことによったら日本で一番私の好きな『銅像』かもしれない」と記し

この国の「敗戦への想像力」の証しとみる。

 

なるほど、旧幕臣の彰義隊が討たれた上野は敗者の地にほかならない。

「敗戦後論」を世に問い、近代日本の本質に挑んでいた。

 

明治を語る際に加藤さんは「底の浅さ」という表現を用いた。欧化にとって

「ヤバイ」譲位思想を封印したことを指す。

 

歳月を経て譲位思想はよみがえって戦前昭和の軍部(広島西練兵場、宇品港から出航)

の暴走(海軍の懺悔)に至り、ヒロシマ・ナガサキの参事を招き寄せる。

 

だが、根っこを断でていないヤバいものはこれから先も、目を覚まさぬ保証はあるまい。

西郷さんだけではない。アメ横あり、※芸大あり、終着駅らしい「なんでもあり」を

加藤さんはこよなく愛したようだ。

 

上2枚の写真〈左〉平成30年12月 〈右〉ウッドワンとの関係性:東京芸大学長

 

 

今しばらく、近代日本の終着点を見据えてほしかったと思うばかりである。

 

 

 

「わたしが内閣総理大臣になる道は、国会開催中、AIを活用した憲法解釈を含め判例等

をAIに代弁してもらい、最終判断を人間であるわたしが判断して答弁する未来予想図」(笑)

 

 

 

他・・・。楠木 建著『ストーリーとしての競争戦略』

優れた戦略の条件 東洋経済新報社 p279・人間の本性を見つめる

 筋の良いコンセプトを構想するために最も大切なことは、

「コンセプトは人間の本性を捉えるものでなくてはならない」

なんとなく、耳ざわりの良い「良いこと」を羅列するだけでは、ユニークなコンセプト

になりません。

〈夏目漱石が生きていた時代、想像もつかないイノベーション(技術革新)例:2枚

弊社 タナカ株式会社 代表取締役 田中 正之「太陽光発電システム」設置工事写真〉

 

 

人間の本性とは、要するに、人はなぜ喜び、楽しみ、面白がり、悲しみ、怒るのか、

何を欲し、何を避け、何を必要としているのか、ということです。

 

アスクルの「久美子さんの救済」とかスターバックスの「第三の場所」、これらは人間の

本性を捉えたコンセプトの好例です。

 

短い言葉の背景に、人間の本性についての洞察が込められています。

コンセプトは「水も滴(したた)る」というか、「切れば血が出る」というか、

そういう生身の人間の気持ちや動きを捉えるものでなくてはなりません。

 

人間の本性、それは文字どおり「本性」であるだけに、そう簡単には変わらないものです。

 

もちろんビジネスを取り巻く市場環境や技術、好不況といった基礎条件は常に変化しています。

新しい市場(今だったらインドやロシアや中国あたり)が急成長したり、新しい技術が生まれ

ます。しかし、このような「今そこにある機会」を捉えることに終始し、肝心の人間の本性を

置き去りにしてしまっては、空疎なコンセプトしか出てきません。p280

 

 

 

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